女と男のいる舗道
こんばんは。本日の映画は「女と男のいる舗道」(1962年 フランス)です。
こちらは過去に3回くらいは観た映画なんですが、何故だかまた観たくなって、今夜の映画にさせていただきました。レンタルにもある作品ですので、まだ観ていない方は是非。
[amazonjs asin=”B000F4LD9S” locale=”JP” title=”女と男のいる舗道 DVD”]さて、いわゆるヌーヴェル・ヴァーグの代表的な監督である、ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)の長編映画弟4作、主演は当時ゴダールの妻であったアンナ・カリーナです。
この映画に関しては、ウィキペディアにものすごく詳しく、わかりやすく書かれていましたので、詳しく知りたい方はそちらをご覧になっていただけるといいかと思います。
但し、あまり下の方まですらすらと読んでしまうと、ストーリーが結末まで書かれていますのでご注意下さいね。
では簡単に作品情報をどうぞ。
作品情報
ポールと別れ、女優を夢見て自立するナナ。しかし現実は厳しく、勤めるレコード店の安い給料では部屋代さえ払えなくなり、路上で声をかけられた男から金を受け取りベッドを共にする。更には旧友イベットを介して知ったヒモのラウールに誘われ、遂にビジネス化された娼婦として働くことになる。次第に、したたかに稼ぎを覚えていくナナ。だが、ふとしたことから見知った青年に惹かれ、身を売ることに抵抗を覚え始める。業を煮やしたラウールは他の男に彼女を売り飛ばそうとするが、話はこじれて…。
生きる為に娼婦となりやがて哀しい運命をたどる一人の女性の生き様を、簡潔なタイトルで始まる12景で構成した一編。
監督・脚本■ジャン=リュック・ゴダール
出演■アンナ・カリーナ
サディ・レボ
アンドレ=S・ラバルト
ブリス・パラン
撮影■ラウール・クタール
音楽■ミシェル・ルグラン
1962年9月20日公開(フランス)フランス映画
ごめんなさい。
予告編の動画が見つけられませんでしたので、今回は動画なしにさせていただきます。
それでは早速観てみたいと思います。何度観てもやっぱり楽しみ!
感想・レビュー
いやぁこんなにも哀しいお話でしたかね…。
なんだかやりきれなくなってしまいました。夜中にひとりで観るにはちょっと切なすぎます…。
というわけで今回は☆4つです!
お金の無さ
この物語は12の短いお話に区切られているのですが、前半は基本的に、主人公にナナにとって「お金の無さ」がいちばんの悩みですよね。お金が無くて、元夫やレコード店の同僚に借金しようとしたり、カメラマンに「2000フランくれる?」というシーンなんかはなんだかなぁって悲しくなりますよね。
家賃も払えず、家にも帰れなくなり、終いには人のお金を盗もうとして未遂とはいえ警察に捕まってしまうのですが、このシーンのナナを逆光で撮っていて、弱弱しいナナの姿と、タイプライターの音だけが冷たく響き渡る取調室が本当にもの悲しいですね。
手紙を書く
何度か観たことのあるこの映画で、いちばん好きなシーンがナナが手紙を書くシーンなんですけど、今回意識して観てみたところ、このシーンにはBGMもなく結構な時間を使っているという事に改めて気がつきました。もしかすると監督であるゴダールにとっても、こだわりのあるシーンなのかも知れないですね。ただナナが手紙を書いているだけなんですけど、ナナのやさしく誠実な人柄が伺えて、なぜだかすごく釘付けになっちゃうんですよね。でもいいシーンですよね。私は大好きです。
お金が入ってくると
後半、割り切って娼婦になりお金が入ってくると、主人公のナナも小ぎれいになり、生き生きとしてきます。この辺りから、アンナ・カリーナの本領が発揮されますよね。
やっぱりどうしても、ちょっとワルくて天真爛漫な女性の方が彼女に似合っていると思ってしまうんですよね。この辺りはナナが生き生きしていていいですよね。
超キュートなナナのダンス・シーンも大きな見所です。お金って大事!
ラストシーン
最後にカフェで老人と人生について語り合うシーンがあるんですが、このシーンには名言がたくさん出てきますので、メモの準備をしていただいてもいいかと思います。ゴダール監督作品には必ずと言っていいほど登場する哲学的語りのシーンですね。
割と長いシーンで、ストーリーにそこまで必要かと言われればうーんどうでしょうという感じもありますが、こういったシーンで語られたお話が、観終わって忘れた頃にふと、思い出されたりするんですよね。それが映画のいいところかと思いますし、私はゴダール監督のこのシーン、大好きです。
さて、ラストシーンは突然にやってきますのでご注意下さいね。居眠りしてたら終わってたなんて事のないように、ですよ。
ひとりごと
煙草と口紅
まずこの映画観てると煙草を吸いたくなりますね。近ごろでは、タバコ=悪しきものとされておりますが、私はいつか煙草の似合うおばあさんになりたいですけどね。
あとは口紅、やたらと塗りますね。
仕事に入る前の武装と切り替えというサインでしょうか、だとしたらゴダール監督、女心がわかりすぎです。
さて今回はこのくらいで。
それではまた。おやすみなさい。
『赤線地帯』ではなく『夜の女たち』です.
『夜の女たち』で、男に騙され弄ばれて捨てられ、しかも病気を遷されて、そして子供が出来た女が、その子を産むと言いました.
この映画でも、当時のパリの娼婦たちの多くが、子供が出来ると誰の子か分らなくても産むと言っています.
bakeneko さま
こんばんは。コメントいただきありがとうございます^_^
そうなんですね、『夜の女たち』観たことがなく、勉強不足ですみません!ウィキペディアを参考に書いたと思うのですが、間違った情報を載せておいてはマズイですので、修正しておきます。教えていただきありがとうございました。