「The Universal Mind Of Bill Evans」(1966)ビル・エヴァンスが教えてくれる大切なこと

 

ジャズ・ドキュメンタリー映画のおすすめ作品をご紹介する「映画で観るジャズ」第2弾として、ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスのドキュメンタリー映画をご紹介します。

 

The Universal Mind Of Bill Evans(1966)

ビル・エヴァンスが実兄ハリー・エヴァンスを相手に語りながら、ジャズを通じて人生において大切なことを簡潔に教えてくれるドキュメンタリー映画。ビル・エヴァンスの経歴やディスコグラフィーについての言及はなく、時にピアノを弾き解説を加えながら、ただひたすらにハリーとジャズについて語り合います。ドキュメンタリー映画というよりはインタビュー動画と言ったほうが近いかも知れませんが、ビル・エヴァンスの考えるジャズをビル・エヴァンス本人が語る非常に貴重な映像です。ビルのピアノ演奏による「Very Early」「Time Remembered」「My Bells」も収録。

 

 

見どころピック・アップ

Bill Evans

 

スタイルを真似することはできない。自分らしい演奏をするために必要なのはただひとつ、基本をマスターすること。

  • 兄ハリーを相手にリラックスした雰囲気で語るビル・エヴァンスの姿を見られるのもうれしいですが、何よりその発言のわかりやすさと的確さに舌を巻きます。

 

ジャズとは即効性が問われる創造のプロセスだ。音楽スタイルではない。

  • 6歳からはじめたピアノでクラシック音楽を習い、13歳までの7年間でプロになったという話しにも驚かされますが、クラシックとジャズの違いについての話が非常に興味深いです。楽譜を見れば何でも弾けるビルが、ある時バンドで即興で弾くことになり全く弾けず愕然とした。そこで知ったジャズとクラシックの違いがこれです。ビル・エヴァンスをジャズ狂にしたターニング・ポイントの話し。

 

テーマに基づいて演奏するという制限があるからこそ自由が生まれる

  • 13歳から28歳まではひたすらにジャズ・ピアノを練習し続けやっと自分のスタイルが確立される。そこでやっと発見したジャズの真髄がこれなんです。あまりに熱いビルの語りに、「君ほどジャズについて深く考える人はいない」と兄ハリーに呆れられるほどですが、ビルのジャズへの情熱がダイレクトに伝わってきて心が熱くなります。基本やテーマにうるさいビルですが、「遊び心がなければ何も発見できない」とも語っており、柔軟にジャズに向き合っています。

 

私は自分に才能があるとは思っていない。しかしそれが私の強みになった。

  • 何と謙虚な!と思ってしまいましたが、案外本人は本気でそう思っていて、だからこそいつまでもジャズへの情熱と向上心を失わず成長し続けることができるのかも知れないですね。

 

力を発揮できる分野を選びそこで全力を尽くせばいい

  • ニューヨークに出てきて、食べていくためにはどうするかという壁にぶちあたった時のビルの答えがこちら。間違いないです。しかしなかなかそうできないのも現実ですよね。それでもやりとげる強さとたくましさは、長年の練習によって培われた自信があるからこそ。やりたいと思うことがあれば誰が何と言おうと狂ったようにやるべきなんです。

 

 

以上、天才ピアニスト、ビル・エヴァンスのドキュメンタリー映画についてご紹介致しました。

ビル・エヴァンスはこのインタビューの撮影時にはすでにドラッグにどっぷりと溺れたジャンキーだったそうですが、この映像を見る限りそのような姿は全く想像できませんでした。とにかくビル・エヴァンスのジャズに対する情熱と、純粋な生き様だけにスポットを当てた簡潔で素晴らしいドキュメンタリー映画でした。ジャズ・ドキュメンタリーについては他にもご紹介しておりますので、よろしければそちらもどうぞ。

映画で観るジャズ「真夏の夜のジャズ」

それではまた。

おやすみなさい。

 

 

作品情報

出演■ビル・エヴァンス、ハリー・エヴァンス

ナビゲーター■ステイーヴ・アレン

監督■ルイス・カーヴェル

1966年アメリカ 45分

 

 

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