フィルム・ノワールの代表作「マルタの鷹」(1941)

 

「マルタの鷹」(1941)を観たことがありますか?

ジョン・ヒューストン監督のデビュー作で、名作との呼び声高い映画ですが、実は私、今回初めて観ました。1941年の公開ですから、どうもあまりに古くさくてつまらないような気がしてしまっていたんですね。でも率直に言ってほんとにカッコよかったですね。まったく映画は観てみないとわからないものです。これぞ眠れぬ夜のひとり映画に最適な作品ではないでしょうか。できればウィスキーなんて飲みながら、そのハードボイルドな世界に完全に浸って観ると楽しそうです。

 

 

マルタの鷹 (The maltese Falcon 1941)

Story

サンフランシスコの私立探偵サム・スペード(ハンフリー・ボガート)は相棒アーチャー(ジェローム・コーワン)と共同で探偵事務所を経営していた。ある日妹を探しているという美女(メアリー・アスター)から、サーズビーという男を尾行して欲しいとの依頼が入る。アーチャーが引き受け尾行するが、何者かによりアーチャーは殺され、続いてサーズビーまでが殺されてしまう。アーチャーの妻アイヴァ(グラディス・ジョージ)と恋仲だったスペードは 真っ先に警察に疑いをかけられ、真相を探るうちに、“マルタの鷹”と呼ばれる彫刻についての伝説を知る__。

Review

まずテンポの良さです。007並みの展開の速さで、観るものをぐんぐん惹きつけて離しません。

それから登場人物のキャラクターの良さ。これが良い映画はまず良い映画なんですが、主人公のサム・スペードの簡潔で大胆なタフ・ガイっぷりにはじまり、美しくも怪し過ぎる依頼人ブリジッド、突然現れるゲイの交渉人カルロス(ピーター・ローレ)、キレやすいボディガードのウィルマー(エリシャ・クック・Jr)にファットなボスのガットマン(シドニー・グリーンストリート)と全キャラクターにアジがありすぎます。スペードに忠実で優しい秘書のエフィ(リー・パトリック)も良いですね。そんな一癖も二癖もある人々が、揃って追い求める“伝説の鷹”なんて出てきたら、そりゃもう面白いに決まってます。そういえば村上春樹の「1973年のピンボール」にも、伝説のピンボール・マシーンの話しの中で、「マルタの鷹みたいですね」ってセリフがありました。

主人公の探偵サム・スペードを演じるのは、ハリウッドの大スター、ボギーことハンフリー・ボガート。実はボギー作品はあまり観たことがなくて、正直彼の良さがイマイチわかってなかった私ですが、「マルタの鷹」のスペードは文句なくカッコよかったですね。シニカルな笑い顔、スマートなタバコの吸い方、バランスの良い着こなし、すべてにおいて完璧なんです。ダブルのスーツがやたらとキマってニクいんですよ。ほんとに。やはり名優というのは何かしら人を魅了する才能を持ち合わせているのですね。

そしてラストがまたいいです。グッときます。これはやはり名作と呼ばれるのがよくわかりました。

それにしてもジョン・ヒューストン監督は、これがデビュー作とは。ほんとにすばらしい才能です。

ちなみに、劇中鷹の彫刻を持って現れる船長のジャコビという人が一瞬登場するのですが、これはジョン・ヒューストン監督の父親で名優のウォルター・ヒューストンなんだそうです。息子のデビュー作にカメオ出演のギフトとは、何ともステキです。

原作のダシール・ハメットの同名ハードボイルド小説も、SNSのフォロワーさんから教えていただいた情報によりますと非常におもしろいそうなので、この機会に読んでみようと思っています。ただ今図書館で予約中。

ジョン・ヒューストン監督作品では「007 カジノロワイヤル」しか観たことなかった私ですが、今回の「マルタの鷹」に続き、ノワール作品の「アスファルト・ジャングル」(1950)をちょうどレンタルしたところですので、こちらも楽しみにしています。それから「キー・ラーゴ」(1948)も近々観ようと思っていますので、この辺りをまたご紹介できればと思います。

それではまた。

 

 

作品情報

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ワーナーホームビデオ

※こちらは動画配信でも観られます

監督■ジョン・ヒューストン

原作■ダシール・ハメット「マルタの鷹」

出演■ハンフリー・ボガート

メアリー・アスター

ピーター・ローレ

リー・パトリック

シドニー・グリーンストリート

1941年10月3日公開(アメリカ) モノクローム 101分

 

 

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