映画「電撃フリントGO!GO作戦」(1966) お洒落でスマートで無敵!フリント登場!
「007」の人気に乗って製作された1960年代のスパイ・アクション映画の中から、超絶タフ・ガイの主人公デレク・フリントが大活躍する映画「電撃フリントGO!GO作戦」(1966年アメリカ)。
主演はボンドに比べてスマートで線は細いものの、柔道は黒帯であのブルース・リーにアクションを師事していたというジェームズ・コバーン。彼の初主演作にして「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」(1973)と並び本人の好きな映画だという「電撃フリント」シリーズの記念すべき第一作をご紹介します!
電撃フリントGO!GO作戦(1966)
Story
3人の科学者率いる悪の組織ギャラクシーは、世界中の天候を操る巨大装置で各国を脅迫し世界征服を企んでいた。解決策として国際スパイ機構Z.O.W.I.Eの最新コンピューターが選びだしたスパイは、ニューヨークの豪華ペントハウスで美女4人と悠々自適に暮らすデレク・フリントだった。Z.O.W.I.Eのクラムデン長官からの要請を一度は断ったフリントだったが、ギャラクシーの殺し屋に狙われ毒矢で殺されかけるとミッション開始。毒矢にわずかに残った香辛料の香りからマルセイユのブイヤベースを割り出すと、Z.O.W.I.Eから配給された65種の機能を搭載したアタッシュケースとワルサーPPKを放棄し、84種の機能を備えた自家製ライターと素手だけでギャラクシーの秘密基地である化粧品会社を突き止め、精神統一により呼吸を停止して敵の本陣である孤島へ潜入するのだった。
Review
とにかくフリントの無敵の強さとスマートでお洒落で女にやさしいキャラクターが最高です!「007」をうまくパロディ化した部分と、フリントオリジナルの超人的アクションや勝手気ままな仕事っぷりがうまく相まって良い感じのB級感を醸し出してます。やたらお洒落なペントハウスで美女と暮らしながら自家用ジェットで世界中を飛び回るフリントがカッコ良すぎです!
見どころピックアップ
デレク・フリントを演じるジェームズ・コバーン
- オープニングクレジットは女性のセクシーなシルエットで早速「007」的です。
- 大統領からクラムデン長官にかかってくる専用電話の呼び出し音が非情に特徴的なんですが、どこか抜けたおもしろい音で笑えるんです。このネタは「オースティン・パワーズ」や「ハドソン・ホーク」でパロディ化されているらしいです。
- フリントの住む豪華ペントハウスが何ともお洒落なんです。流線型のバカでかいベッドや木の彫り物が施されたエレヴェーターが最高にステキです。クラムデンが犬に噛みつかれるのも笑えます。クラムデンも良いキャラクターしてるんですよね。
- Z.O.W.I.Eで支給されるアタッシュケースとワルサーPPKはジェームズ・ボンドの必須アイテムなんですが、これをさらりと放棄するのが何ともカッコ良かったです。
- 美女たちと食事に出かけた先のレストランの内装が全部真っ赤でこれまた超お洒落。4人の美女と次々に踊るジェームズ・コバーンのダンスもイカシてます。
- マルセイユのショー・パブでフリントが突然殴り合いのケンカを始める相手が「0008」というショーン・コネリー似のスパイなんです。殴り合いながらお互いのミッションについての近況報告するだけってのがまた何ともクールです。
- ギャラクシーの連中が、化粧品会社の金庫に閉じ込めたフリントを金庫の部屋ごとごっそり車でひっぱって行くシーンが凄かったですね。残った建物をボタンひとつで地中にしまいこんでしまうのも度肝を抜かれました。
- アクション・シーンが全て素手でピストルなしなんですよね。まぁ持ってないのでそうなるんでしょうが、おそらくジェームズ・ボンドよりタフ・ガイという事を表現しているのでしょう。
- 最後に戦うロドニーがなんと義手なんです。ラストに「ドクター・ノオ」のパロディを盛り込んできたあたりホント憎いです。
作品情報
出演■ジェームズ・コバーン(デレク・フリント)
リー・J・コップ(クラムデン長官)
ギラ・ゴラン(ギラ)
エドワード・マルヘアー(マルコム・ロドニー)
監督■ダニエル・マン
脚本■ベン・スター、ハル・フィンバーグ
音楽■ジュリー・ゴールドスミス
1966年1月16日公開(アメリカ) 108分 カラー
※ちなみに1966年には「007」は公開されていません。1965年の「サンダーボール作戦」と1967年の「007は二度死ぬ」の間に公開されたのがこの「電撃フリントGO!GO作戦」です。
※DVDレンタルに取り扱いのある作品です。(TUTAYA DISCAS調べ)