ヌーヴェル・ヴァーグのおすすめ映画11選
1950年代後半から60年代前半にかけて巻き起こったフランス映画界の“新しい波”「ヌーヴェル・ヴァーグ」のおすすめ映画11作品をご紹介致します。
死刑台のエレベーター(1958)
不倫の末、女の夫を殺した男が偶発的にエレベーターに閉じ込められてしまう。男を捜し夜のシャンゼリゼをさまよう女。その後ろで流れるマイルス・デイヴィス。新しい試みに溢れたルイ・マル監督25歳のデビュー作。天才です。
5時から7時までのクレオ(1962)
アニエス・ヴァルダ監督長編デビュー作。自分がガンに侵されているかもしれないと悩むクレオが、不安を抱え鬱々とパリをさまよう様子をドキュメンタリー的に捉えた作品。手持ちカメラでパリを撮った映像はまさにヌーヴェル・ヴァーグ。ピアノを弾き語るミシェル・ルグランと、劇中流れる無声映画に出てくるアンナ・カリーナ&ゴダールも見逃さないで。
シェルブールの雨傘(1964)
ジャック・ドゥミ監督による初カラー&ミュージカル作品。港町を舞台に若き男女の悲恋を描き世界的に大ヒット。誰しも経験する切ない初恋を、絵本の世界のようにカラフルに映像化しています。この映画の色彩とカトリーヌ・ドヌーヴの美しさはどれだけ語っても語り尽くせません。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得したヌーヴェル・ヴァーグ作品はあとにも先にもこの映画だけ。ドヌーヴのファッションもステキです。
大人は判ってくれない(1959)
フランソワ・トリュフォー監督長編第一作で、幼少期の自伝的作品。ただ好きなことをやりたいだけなのに、心ない大人たちによって落第生のレッテルを貼られてしまう少年を描いた不条理劇。とにかく主人公アントワーヌ・ドワネルを演じる13歳のジャン=ピエール・レオがすばらしい。そして親友のやさしさが涙を誘います。友だちっていいものですね。
女は女である(1961)
ゴダール監督初カラー作品。突然子どもが欲しくなっちゃった女と、その女を愛するふたりの男が織り成すミュージカル・コメディ。ひとことで言ってチャーミング、それもモーレツにチャーミングな映画です。なんと言っても主演のアンナ・カリーナの凄まじい可愛らしさ!とくに女性は必見です。観終わって、おそらく赤カーディガンと赤タイツを買いに出かけることになるでしょう。ベルモンドとブリアリもステキです。
マンハッタンの二人の男(1959)
ジャン=ピエール・メルヴィル監督によるフィルム・ノワール的長編。ある男を探すため二人の男が一晩中マンハッタンをただただかけまわるだけのお話。だけどコレがやたらとかっこイイ。二人の男、即ちメルヴィル氏本人とピエール・グラッセの洒落た格好と、全編に流れるマーシャル・ソラールによるモダン・ジャズのせいでしょうか。最強にクールな映画。
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天使の入江(1963)
ジャック・ドゥミ監督長編第二作。勝って負けてまた勝って…行く先は天国か地獄か。ギャンブルに浮かされた男女の愛と情熱の物語。長らく日本未公開となっていた作品ですが、金髪の堕天使ジャンヌ・モローがたまらなく良いです。完全にヤラレます。これぞ隠れた名作。
アデュー・フィリピーヌ(1963)
ヌーヴェル・ヴァーグの到達点といわれるジャック・ロジエ監督長編第一作。双子のように仲の良いふたりの女の子と、兵役を控えた青年によるひと夏の青春物語。ヌーヴェル・ヴァーグ作品に多い三角関係モノですが、瑞々しさに満ち溢れた非常にさわやかな作品。若くてきれいで仲の良い女の子たちってどうしてこんなにも魅力的なのでしょう。いつまでも眺めていたくなるすばらしい映画です。
小さな兵隊(1963)
ゴダールの撮った二作目の長編。ただしアルジェリア独立戦争の検問に抵触し公開したのは三年後。この映画でゴダール作品デビューしたアンナ・カリーナの初々しさときたら、まぶしすぎて直視できません。映画のほうはゴダール特有の哲学的語りがサエたクールな仕上がり。
柔らかい肌(1964)
フランソワ・トリュフォー監督によるサスペンス・タッチの不倫劇。カトリーヌ・ドヌーヴの姉、フランソワーズ・ドルレアックがただただ美しい。とくにダンスシーンの可愛らしさは世界一です。欲を言えば相手役をもう少し…いえ何でもないです。
勝手にしやがれ(1960)
ジャン=リュック・ゴダール監督長編第一作で、ヌーヴェル・ヴァーグの代名詞的作品。この映画についてストーリーを語るのはナンセンスですね。ただひとつひとつのシーンが不思議な引力を持つ作品。まだ観てない方は、ともかく騙されたと思って観てみるべし。きっと好きなシーンが見つかるはず。
以上、ヌーヴェル・ヴァーグ映画のおすすめ11作品でした。「アデュー・フィリピーヌ」以外はレンタルで取り扱いのある作品ですので是非探してみてください。(TUTAYA DISCAS/DMM.com宅配レンタル調べ)