若尾文子の映画「婚期」(1961) 野添ひとみとの姉妹コンビがかわいすぎ!
若尾文子さんと野添ひとみさんの姉妹が何ともかわいらしいファミリー・コメディ映画「婚期」(1961)について書きたいと思います。
婚期(1961)
Story
波子(若尾文子)と鶴子(野添ひとみ)の姉妹は適齢期を過ぎても嫁に行かずに生家で兄夫婦と弟と暮らしていた。上の姉冴子(高峰三枝子)は一度は結婚したものの離婚し、ファッションデザイナーをしながら気ままなひとり暮らし。そんな姉の部屋で、兄嫁の静(京マチ子)のへ不平を並べ、結婚して家を出る日を夢見るふたりだったが、なかなか理想の相手は見つからず、かといって生家の居心地も悪いと感じていた。そんなある日、静のもとへ夫の卓夫(船越英二)が浮気をしていて子どもまであると密告の手紙が送られてくるのだが…。
とぼけた兄嫁とちゃっかりものの小姑たちの争いをさっぱりと軽快に描いたファミリー・コメディの傑作!
Review
★★★★★ 5
若尾さんと野添さんの姉妹が何ともかわいらしくて観ていて最高に楽しい気持ちになりました。テンポの良い会話と結構やんちゃなセリフがおかしくて何度も吹きだしてしまうほど。京マチ子さん演じるおとぼけな兄嫁や高峰三枝子さんのクールな姉も良いキャラクターしてます!婆やも最高!
見どころピックアップ
高峰三枝子さんとメガネ姿の若尾文子さん
- まず若尾さんと野添さんのちゃっかり姉妹のキャラクターがとにかく良いんです。ストーリーだけ追うと小姑が兄嫁をいじめる陰気くさい話なんですけれど、それを全く感じさせない天真爛漫なお嬢さん姉妹で本当にかわいいです。
- 若尾さん演じる波子は目が悪くて、事あるごとに目を細めたりメガネをかけたり外したりするんですが、そのメガネ姿がチャーミングなんですよね。「あなたと私の合言葉さようなら、今日は」でのメガネ姿もステキなんですが、この作品では着物にメガネでまた良いんです。仕事がお習字の先生ってのも良いですよね。
- 姉妹の生家に婆や(北林谷栄)がいるんですけど、ふたりの婆やに対する扱いがひどくて本当におかしいんです。婆やがアイロンをうまくかけられないシーンでは若尾さんから「だめねぇ。古だぬき!」ですし、余計なことを言えば野添さんからは「クソババァ!」ですもん。婆やと姉妹の掛け合いはほんとに最高でした。
- 姉妹がふたりでお風呂に入るシーンがあるんですけど、体重を測っては「ミスユニバースにはちょっぴり太いな」だとか言うセリフが何ともかわいらしくって笑えました。すりガラスの向こうで裸でキャッキャッしてるのも良かったですねぇ。
- 高峰三枝子さん演じる冴子が最高にクールでお洒落なんですよね。ファッション・ショーのときの黒ずくめの衣装がステキ過ぎです。
ひとりごと
「婚期」というタイトル通り、若尾さん演じる波子が婚期を逃し行き後れたオールドミス(といってもまだ29歳)という設定なんですが、何とか嫁に行っても小姑たちにいびられガマンして働きづめの兄嫁や、さっさと離婚して生き生きとひとり暮らしを満喫する姉の登場によって、結婚とは一体何かということを考えさせられるお話でもあるんですよね。ラストでは結婚の良さみたいなシーンもちょっとあるんですが、どちらかと言えば姉妹は結婚の悪い部分を多く目の当たりにするわけなんです。それでもなお結婚への憧れを捨てきれないところがまた何ともかわいいんですよね。結局のところ、結婚はしてみないとわからないって事なのかもしれませんね。そして当たり前のことではありますが、結婚したいと思える相手に出会うことが重要であって「婚期」なんてものはないって事です。
それにしても若尾さんがどうにも可愛らしすぎてモテないオールドミスには到底見えないですし、姉妹があまりに仲良しで楽しげなので、観ている側としても結婚なんてしないでふたりでいつまでも楽しくやって欲しいと思えてなりませんでした。「あなたと私の合言葉さようなら、今日は」でも姉妹役の若尾さんと野添さんですが、おふたりの姉妹はいつもかわいらしくて本当に大好きです。
作品情報
出演■若尾文子(唐澤波子)
野添ひとみ(唐澤鶴子)
京マチ子(唐澤 静)
高峰三枝子(唐澤冴子)
船越英二(唐澤卓夫)
監督■吉村公三郎
脚本■水木洋子
1961年1月14日公開 97分 カラー
※こちらは残念ながらDVDレンタルの取り扱いはありませんでした。(TUTAYA DISCAS調べ)