ジョゼと虎と魚たち

 

 

こんばんは。

今夜の映画は「ジョゼと虎と魚たち」(2003)です。

皆さまは、前にも一度観た映画を、ふとまた観たくなる事ってないですか?私はしょっちゅうあります。

時々、一度観た映画は観ない、という方がいらっしゃいますが、それはもったいないと思います。ふと思い出して観たいと思った時に観ると、また違った発見があっておもしろいものです。

最初に観た時の感想がどうであれ、もう一度観たくなったという事自体が、既にあなたにとっての「いい映画」の条件を満たしているのです。少なくとも私はそうです。

では作品情報をどうぞ。

 

 

作品情報

田辺聖子原作の小説を犬童一心監督が映画化。ごく普通の大学生・恒夫。最近バイト先では、乳母車を押す婆さんが噂になっていた。ある日恒夫は、坂道を走ってくる乳母車を見つける。中には包丁を振り回す少女がいた。それが恒夫とジョゼの出会いだった。恒夫は自分をジョゼと呼ぶ不思議な少女に惹かれてゆく…。

出演■妻夫木聡

池脇千鶴

上野樹里

新井浩文

新谷英子

監督■犬童一心

原作■田辺聖子

2003年12月13日公開

 

 

感想・レビュー

いやぁ…良かったです。

良すぎてうまくお伝えできるか心配なくらいです。

これは間違いなく後世に伝えるべき名作です。

淡いトーン

まずこの映画の大きな特色として、全体的に光を多く取り込んだ淡いトーンで撮影しているところが挙げられます。これがこの作品の大きなイメージを作り上げていると思うんですよね。

物語の始まりに、イメージ写真と共に主人公の恒夫の語りによる回想があるのですが、ジョゼと過ごした日々の眩しさ、美しさをこの淡いトーンで撮ることによって映像そのもので表現しているのではないでしょうか。

ジョゼ

この映画のタイトルなんですが、観る前には内容を想像する事ができませんよね。特に気になるのがジョゼ。ジョゼって何?と思うのですが、観終わってみると、この映画のタイトルは「ジョゼと虎と魚たち」以外にないっていうくらいに「ジョゼと虎と魚たち」なんです。本当にいいタイトルだと思います。

そのジョゼというキャラクターには、無駄ってものがなく、観ていてすごく素敵でかっこいいんです。ある限られた人生において、余計な事はしないし、考えないし、迷いなく自分の思うことだけに集中して日々を楽しむ姿が、非常に潔くて魅力的だと思います。それを池脇千鶴がさらに魅力的に演じているんですから、これはずるいです。本当にはまり役だと思います。

ごはんのシーン

男を掴むにはまず胃袋を掴めとかよく聞きますが、主人公の恒夫はまさにその通り、まんまとごはんにつられて簡単につかまりました。でも食事を作るのってある程度人柄が出るといいますか、少なくとも味の趣向は合う合わない食べればわかるので、食べておいしいと思ったものを作った人に惹かれるのは当然といえば当然なんですがね。

とにかくだし巻き卵にはじまり、糠漬け、味噌汁、鯵の開きに煮物とまぁごはんのうまそうなこと。食事シーンのある映画とか本って私は好きなんです。この映画を観ると必ず和食の朝食を食べたくなります。主人公の恒夫演じる妻夫木聡のおいしい顔がすごく自然でかわいいです。

大学での生活

恒夫は大学でもそれなりにうまくやっていると思うんです。ものわかりのいいセフレもいて、可愛い彼女もできちゃって。前半はジョゼのシーンと大学のシーンが交互に出てくるのですが、じわじわとジョゼの存在が大きくなっていくところを丁寧に時間をかけて描いているので、観ている側にもその感じがわかりやすく伝わってきます。確かに大学の女の子たちには無い魅力がジョゼにはありますよね。

好きなシーン

この映画には好きなシーンがたくさんあって、まず恒夫が乳母車を押してジョゼが初めて昼間外出するシーンです。土手から転げ落ちたあと、ジョゼが「なんや、あの雲もってかえりたいわ」っていうセリフも好きですね。

それからごはんを作って恒夫が食べるシーンも好きですし、初めて結ばれるシーンもすごくいいです。このとき恒夫が言うセリフがまた良いんです。そして、旅行のシーンはとても切ないですが、水族館でふくれるシーンも海ではしゃぐシーンもあのホテルのシーンも全てが良い。素晴らしいです。

虎と魚たち

虎はなんだか不思議なシーンですけど、意外と印象に残るシーンなんです。恒夫とジョゼが結ばれてすぐ虎のシーンがあるので、ここはジョゼの喜びの象徴ということになると思います。

そして1年後。これはおそらくサガンの「一年ののち」とかかってるんですかね。

恒夫とジョゼの旅行シーンですが、後半はなんていうか観ていて切ないです。魚たちのシーンも。泣きそうです。

 

 

ひとりごと

なるべくネタバレなしで書こうと思ったのですが、すごく難しくてうまく書けなかったです。

この映画を観たのは今回二度目なんですが、初めて観た時はすぐに図書館でサガンの「一年ののち」を予約して読んだのを覚えてます。読んだらすごく良くて、サガンの他の小説もその後たくさん読みました。この映画の主人公ジョゼは、読書が好きな女の子なんですが、たくさん本を読んでいる人っていうのはやはり魅力的で、読書好きの女の子の魅力をうまく描いた作品でもあると思います。

ラストシーンは切なくなりますが、この恋がふたりにとって避けられない恋であり、良い恋であったことに違いはないと思うので、私は納得できました。

それではまた。

おやすみなさい。

 

 

 

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