若尾文子の映画「八月生れの女」(1963) 気の強い女社長のステキなファッションに大注目!

 

以前から観たかった若尾さん主演映画「八月生まれの女」(1963)が初DVD化され先月(2018年9月)に発売されたので早速観ました。

八月生れの女は気が強く~というオープニングに曲に乗って始まるや、若尾さん演じる主人公(滝川由美)と宇津井健さん演じる演劇青年(村瀬力)が、車がブツかったとかナントカでケンカの真っ最中。白のスーツに白帽子、そして白色のオープンカーでキメた『おしゃれ泥棒』のオードリー・ヘプバーンさながらのステキな若尾さんが、気の強い8月生れの女らしくカッコ良く啖呵切ってる姿を見て、あぁ私やっぱりこの人好きだわぁと改めて惚れなおしてしまいました。

 

 

八月生れの女(1963)

Story

気が強くて男勝りな由美(若尾文子)は、亡き父の後を継ぎ、滝川光学の社長として忙しい日々を送っていた。ある日車の追突事故をきっかけに、演劇青年村瀬力(宇津井健)と知り合う。喧嘩しながらも力が気になった由美は、私立探偵の友人、早苗(浜田ゆう子)に力の調査を依頼する。そんな中、由美は先代からの社長秘書である津田(東野英治郎)に騙され、高知のデパート社長の弟、志野村次郎(川崎敬三)とお見合いをさせられる。怒ってその日のうちに東京に戻った由美だったが、しばらくして次郎が由美を訪ねて上京し、成り行きで由美の家に居候することになる_。

 

 

Review

「八月生れの女」は、若尾作品の中でも好きなタイプの映画でした。なんと言っても若尾さんのキャラクターが良いです。それもそのはず、監督の田中重雄さんは、若尾さんが同じように勝気でさっぱりした役どころであり、私が隠れた名作と感じている『東京おにぎり娘』も撮っているんですよね。以前も確か書いたのですが、個人的にこういう役どころの若尾さんがいちばん好きなんです。そんな若尾さんを観ているだけで、何だか嬉しくなってきちゃうんですよね。

 

見どころピックアップ

  • まず、若き女社長の若尾さんのファッションがすてきです。登場シーンの白スーツにはじまり、高知出張の際の真っ赤なセットアップ白の振袖黄色のスーツにファーの襟巻き白ワンピに赤ジャケットトリコカラーのパイピングがすてきなスーツに、キャバレーへ出かける時のシルバーのスーツ。そうそう車の運転をする時の革手袋もイカシテました。まだありますヨ。自宅でのフリルシャツ&赤皮のスカート紺スカート&赤ジャケットにドット柄の被りもの。忘れちゃならない熱海でのネグリジェ。そしてクライマックスでのセクシーな水色のドレスです!髪をきれいにセットして、完璧なフルメイクで様々なファッションを着こなす若尾さんにウットリしすぎて、うっかりストーリーは忘れてしまいそうでした。ちなみに私は、一瞬しか映りませんが、高知での赤のセットアップがいちばんすてきだと思いました。
  • 宇津井健さん演じる村瀬力の乗っている車が、シトロエン2CVというフランス車なんですが、これのサスペンションが効きすぎて、いつもゆらゆらしていたり、由美の家の犬が川崎敬三さん演じる次郎と同じ『じろう』という名で、犬に“じろうちゃん”と話しかけるたび、川崎さんが返事をするといった小ネタがたっぷりなのもおもしろかったです。
  • この映画の川崎敬三さんは、最初はボーっとしていて、『日陰のもやしみたいな人』と由美に言われてしまうのですが、ふぐを捌き皆に振る舞い、お金持ちの兄に頼らずマイペースでわが道を進み、酒飲み運転の由美の身代わりになり黙って警察に出頭したりと、後半ものすごく頼りになってほんっとにステキでした。まさにナイスボーイ。こんな人いたらいいんですけどねぇ…。
  • そして、秘書のお爺さん津田の色恋あり、若尾さんの入浴シーンあり、若尾さんがドライバーでネジをしめるという変わったシーンも盛り込まれ、全体的にはテンポ良くユーモア溢れる楽しい仕上がりになっていました。ただ、宇津井健さんの役どころだけが、どうもふわふわとしてすっきりしなかったのはちょと残念だったように思います。それにしても『8月生れの女は気が強い』なんて話し、初めて聞きましたがそうなんでしょうかねぇ。私としてはあまり思い当たるフシがないのですが、いかがでしょう。

 

 

 

作品情報

監督■田中重雄

脚本■船橋和郎

出演■若尾文子

宇津井健

川崎敬三

東野英治郎

浜田ゆう子

村田知栄子

角梨枝子

左ト全

1963年2月19日公開 89分 カラー

 

それではまた。おやすみなさい。

 

 

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